6月6日(金)に5月米雇用統計が発表される。
以下では①一般に関連性が高いと言われる「雇用」と「小売」に乖離が見られている理由、そして②雇用統計に対する明るい材料と暗い材料をそれぞれ一つずつ取り上げて見たい。
【雇用と小売】
非農業部門雇用者数は今年に入って4ヶ月連続で雇用減を示している。労働市場が不安定になると、「雇用に対する不安視から個人消費は減少する」というのが今までの一般的な見方だった。しかし5月13日に発表された4月の小売売上高は-0.2%とその減速幅は小さかった。むしろ原油高騰がその買い控えに起因している自動車の売上高を除いた売上高は、今年1月以来の上昇幅となる0.5%となった。その理由は、米政府が打ち出した戻し減税にある。個人消費の拡大から景気のテコ入れを狙うこの措置は、主に単身者には600ドル、世帯には1200ドルの小切手を支給するというもの(総額1500億ドル)。これを期待した消費が前倒しで実施された可能性が高い。事実、27日に発表された消費者信頼感指数の中で、「向こう6ヶ月の間でTVを購入する」との回答が過去最高を記録していた(ちなみに米国では2009年2月にアナログ放送が終了する)。よって、今回の雇用統計には「雇用が好調→小売上昇」の構図は当てはまらず、この構図を逆算しての「雇用は好調!」との楽観視はしない方が良いだろう。
【ドルに良い材料】
5月22日に発表された新規失業保険申請件数は36.5万件と、事前予想(37.3万件)を下回った。通常であればあまりインパクトのあるものではないが、この期間は雇用統計のためのサンプルデータを取る週にあたる。まさにこの数値が雇用統計に反映されるのである。
【ドルに悪い材料】
27日に発表された消費者信頼感指数は57.2と、1992年10月以来の低水準となった。この指数の中には雇用に関連する項目もあるが、今回、これも大きく悪化している。「雇用は十分」との回答を指数化したものは、16.3(前回:17.1、前年:29.1)へと低下。「雇用は不十分」は55.7(前回:55.0、前年:51.2)へと悪化。更に「雇用を得るのが困難」も28.0(前回:27.9、前年:19.7)へと悪化した。これは失業率が上昇している可能性を示している。
【各種の雇用項目に注意が必要です】
現時点では雇用統計に対する主要な指針が出揃っていないので、より突っ込んだ見通しは難しいが、少なくともここまでに楽観視出来る要因はない。新規失業保険申請件数の話題は明るいが、それでも”雇用を改善させる”要因にはなり得ない。雇用統計までに発表されるISM製造業景況指数(2日)やADP雇用統計(4日)、そしてISM非製造業景況指数(4日)の雇用項目には十分注意したい。

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